無伴奏「シャコンヌ」
監督/シャルリー・ヴァン・ダム
主演/リシャール・ベリ

アルマンは、その実力を高く評価されたバイオリニスト。しかし、自分の演奏に疑問を持ちすべてを捨てて、地下鉄駅の地下道をその活動場所に選んだ。彼の才能は、そこでも発揮され、次第に人々はその演奏に魅せられていく。キップ売りのリディアも…。一日を地下道で過ごすリディアも、アルマンの演奏で少しずつ心の触れ合いを感じていくが…。

アルマンは、自分の才能に鼻先を取られてキリキリ舞いしていたわけです。そして、自分のまわりのしがらみを捨てて地下に潜る。しかし、彼の演奏はやはり人を引きつけて止まない。才能を持つもののさだめでしょうか。
クラシック好きの駅員は、彼にスコアを差し入れし続け、彼の演奏を聞いて、有名バイオリニストのあのレコードに演奏がそっくりだと言います。そのレコードはアルマンがゴーストプレイヤーとして録音したもの。駅員の耳もただものじゃありません。

終盤、アルマンはバイオリンを失います。しかし、パントマイムで引き続ける彼には、一分の狂いもなく演奏が聞こえているはず。壮絶ともいえます。僕は、こういう才能に振り回される器の映画好きなんです。

まずシャコンヌがいい。シャコンヌを演奏する映画を作りたかったんじゃ?と勘繰りたくなるほど合ってます。シャコンヌじゃなきゃ成立しないかも。ドルサラディスクですが、2chで聞きたくなります。

どうでもいいですが、「奏でてください。あなたの愛を。」ってこういうキャッチやめて欲しいですよね。いくらなんでも安い。

さて、アルマンは地下鉄駅の地下道をその活動場所に選びます。フランス人にとって、メトロの地下道は特別な思い入れがある場所なのでしょうか。その地下道がよく出てくる映画、しかもこの10年間ではフランス映画最高傑作ではないかと(勝手に)思う作品といえば…


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